童話屋

象を見ると幼い子どもは「ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね」と、まどさんの詩を口ずさみます。
子どもも大人も、歌詞にはあまり注意を払いません。
でも、詩として文字を読んでみると、スゴイ詩だ、とわかります。

ゾウの子どもは、鼻が長いことを誇りに思っているのです。だって、大好きな母さんの鼻だって長いのですから。
本書タイトル詩の「くまさん」もそうです。
水に映った自分の顔を見て、「そうだ ぼくは くまだった よかったな」となります。

自分が自分であってよかった、という自己肯定は、人が生きていく上で、なにより大事です。
ゾウさんもくまさんも、人も木も空も石ころも、みんな自分に生まれてよかったのですね。

そんなふうにうたいつづけるまどさんは、子どもだけを読者にもつ童謡詩人ではありません。
やさしい子どもの言葉で語っていると見せかけて、根源的な真実を語りつづけるまどさんの、本格的なアンソロジーです。
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