童話屋

「おんなのことば」をご紹介するなら、まず茨木のり子さんの著書「詩のこころを読む」(岩波ジュニア新書)の話から始めなければなりません。同書は1979年刊行ののち、ロングセラーをつづけ、50万部を超えています。この本を読んで、詩が好きになる読者は多く、編者もその一人です。はじめに、の冒頭はこう始まります。

「いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります。
 いい詩はまた、生きとし生けるものへの、いとおしみの感情をやさしく誘いだしてもくれます。」

ひとの心を解き放ってくれる、というのは、ひとにはもともとみずみずしい心があるということですし、いとおしみの感情を誘いだしてくれる、というのは、ほんとうはだれにも豊かな感受性がある、という真実を語っているのです。

編者はこの「詩のこころを読む」に導かれて詩の読者になり、詩集の編集者になりました。ぜひご一読をおすすめします。
この種の入門書には、著者は自分の詩を入れます。茨木さんは、そうしませんでした。その潔さに編者は感銘を受け、自分の手で茨木さんのアンソロジーを作る決心をし、10年後に実現したのが本書「おんなのことば」です。

この詞華集にむけて、なかでも、とりわけ精神の高い詩ばかりを集めました。
「自分の感受性くらい」を冒頭に置き、「汲む」でしめくくるという贅沢な編集になりました。
茨木のり子さんの詩は、精神が弛緩してしまった現代の日本人を、将来救うことになる、と編者はかたく信じています。
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