- やさしい言葉
- 石垣りん 詩
- A5・144頁 クロス装上製 (品切・重版未定)
定価(本体 2,000円+税)
ISBN978-4-88747-028-6
「やさしい言葉」は、石垣りんさんの第四詩集です。64歳のときの出版です。第一詩集を出したのが1959年、第二詩集が1968年、第三詩集が1979年で、ほぼ10年に一冊出していたのがここでは5年で第四詩集が出たことになります。
そしてそれからほぼ20年たって、これら4冊が童話屋から復刊されました。
「やさしい言葉」に入っている「おみやげ」という詩をご紹介します。
近年
旅からの
あんな良い土産はなかった。さびしく
美しく
光る
ひとつの言葉。
「地球は青かった」
降りて来た宇宙飛行士は
たちまち群衆の中にまぎれ
広場の人は手に手に
もらったばかりの言葉製望遠鏡をにぎりしめていた。
―見えるかい?
―うん
見えるような気がする
心もとない足場だった。
たしかに在るものを
たしかに見つけた
たしかな言葉。
それがあまりにも遥かで
幻のよう。
地球は青かった。
そしてそれからほぼ20年たって、これら4冊が童話屋から復刊されました。
「やさしい言葉」に入っている「おみやげ」という詩をご紹介します。
近年
旅からの
あんな良い土産はなかった。さびしく
美しく
光る
ひとつの言葉。
「地球は青かった」
降りて来た宇宙飛行士は
たちまち群衆の中にまぎれ
広場の人は手に手に
もらったばかりの言葉製望遠鏡をにぎりしめていた。
―見えるかい?
―うん
見えるような気がする
心もとない足場だった。
たしかに在るものを
たしかに見つけた
たしかな言葉。
それがあまりにも遥かで
幻のよう。
地球は青かった。