- 私の前にある鍋と お釜と燃える火と
- 石垣りん 詩
- A5・184頁 クロス装上製 品切・重版未定
定価(本体 2,000円+税)
ISBN978-4-88747-011-8 - 楽天ブックスで購入する
- Amazonで購入する
この詩集は石垣さんの初めての詩集です。1959年に書肆ユリイカより出版された第一詩集の復刊です。
表題と同じタイトルの詩のほか42篇の詩篇が入っています。
表題の「私の前にある鍋と お釜と燃える火と」という詩(一部)をご紹介します。
(...)
炊事が奇しくも分けられた
女の役目であつたのは
不幸なこととは思われない、
そのために知識や、世間での地位が
たちおくれたとしても
おそくはない
私たちの前にあるものは
鍋とお釜と、燃える火と
それらなつかしい器物の前で
お芋や、肉を料理するように
深い思いをこめて
政治や経済や文学も勉強しよう、
それはおごりや栄達のためでなく
全部が
人間のために供せられるように
全部が愛情の対象あつて励むように。
表題と同じタイトルの詩のほか42篇の詩篇が入っています。
表題の「私の前にある鍋と お釜と燃える火と」という詩(一部)をご紹介します。
(...)
炊事が奇しくも分けられた
女の役目であつたのは
不幸なこととは思われない、
そのために知識や、世間での地位が
たちおくれたとしても
おそくはない
私たちの前にあるものは
鍋とお釜と、燃える火と
それらなつかしい器物の前で
お芋や、肉を料理するように
深い思いをこめて
政治や経済や文学も勉強しよう、
それはおごりや栄達のためでなく
全部が
人間のために供せられるように
全部が愛情の対象あつて励むように。