童話屋

この「表札など」には、名詩「表札」が入っています。
七連からなる詩で、「自分の住むところには/自分で表札を出すにかぎる。」で始まります。
そして、六連目でもう一度この二行をくり返し、終連につなげます。

自分の住む所には
自分の手で表札をかけるに限る。
精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない
石垣りん
それでよい。

思わず背筋がピンと伸び、シャンとなります。
まさにこの詩一篇のため、石垣りんさんはこの世界に生まれてきたのです。

1968年、思潮社より出版された第二詩集の復刻版です。
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