童話屋

茨木のり子による詩人の評伝シリーズ、第1巻です。

茨木さんが好きな詩人の一人が山之口貘さんです。
貘さんの娘・ミミコさん(詩のなかにも登場します)と茨木さんは仲よしです。
この本ができた時には編者もお祝いの席にご一緒しました。

ところで、貘さんは生まれてから死ぬまで貧乏でした。どんな貧乏かというと、

米粒ひとつも
はいっていないのだから
胃袋が怒りで
いっぱいなのだ
   (「胃」より)

でも貘さんは貧しさに屈伏せず、飄々と、むしろ貧乏を楽しく生き抜いた人だったのです。
ですから、つむぎ出された詩は、おどろくほどの気品にみちています。
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