童話屋

啄木のうた
啄木のうた
田中和雄 編
A6・160頁 品切・重版未定
定価(本体 1,250円+税)
ISBN978-4-88747-067-5
石川啄木は1886年、岩手県生まれの歌人です。


はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢつと手を見る


ご存じ、啄木はひどい貧乏でした。
格差社会は今に始まったことではありません。筆舌に尽くせぬほどの貧乏です。
そのうえ病気持ちで家庭不和もあるのですから、まさに三重苦でした。
そのなかから、啄木は日本の文芸史上に燦然と輝く歌集『一握の砂』と『悲しき玩具』を生んだのです。

この詞華集では24の小扉を設け、それぞれのテーマに関連する歌を紹介しています。
全体をとおして、啄木の生涯を一幕ものの舞台のように演出してみました。

いくつになっても気弱で見栄っ張りで甘えん坊。日本の男たちに共通する悲しみを一人で背負って、いまも我らの啄木はどこかの海辺で、泣きぬれて蟹と遊んでいるのでしょう。
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