童話屋

良寛(1758~1831)は、江戸時代後期の禅僧で、号は大愚。越後の人です。
出家して諸国を行脚したのち、郷里の庵で托鉢生活をしました。
何物にもとらわれない自由な心で短歌や長歌を詠み、人間存在への深い洞察から生まれた漢詩や書をたくさん遺しています。
この詞華集は、良寛の漢詩・短歌・長歌・手紙・書きつけ、また歌集「蓮の露」から55篇を選んだものです。
漢詩に編者の解釈文をつけた以外はいっさいの評釈を省き、注釈もごく一部にとどめました。
直かに良寛のうたに触れ、唱和してお楽しみください。

わたしは
どこから 来て
どこへ ゆくのか

ひとり 生まれ
ひとり 生き
ひとり 考え
ひとり、を思う

始まりは
いつかの昔
終わりは
いつかの明日

そして
いま、ここ、に
わたしは、いる
それが
たしかな、わたし
        (原文漢詩・編者による解釈)
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